筆者は現在SESとして働いている。
IT転職を考えている方にSESがどのような働き方かを綴ってみようと思う。
SES、受託、自社開発の違い
1. SES(システムエンジニアリングサービス)
特徴:
- クライアント企業に技術者を派遣し、その企業のプロジェクトに従事します。
- 主にエンジニアの人材提供が目的。
- 技術者の勤務時間や作業量に応じて料金を請求(労働時間ベースの契約)。
メリット:
- クライアント側のプロジェクトに柔軟に対応可能。
- エンジニアにとって、多様な現場経験を積む機会が得られる。
デメリット:
- エンジニア派遣先での業務管理が難しいことがある。
- 自社にノウハウが蓄積されにくい。
2. 受託開発
特徴:
- クライアント企業から開発業務を一括請負し、完成品を納品します。
- 契約形態は成果物ベース(固定価格や成果報酬が多い)。
- 要件定義、設計、開発、テスト、納品までを一貫して担当。
メリット:
- クライアントのニーズに応じたオーダーメイドのシステムを提供可能。
- 受託側にノウハウが蓄積されやすい。
デメリット:
- 要件変更やスケジュール遅延によるコスト負担リスクがある。
- 納期プレッシャーが高い場合も多い。
3. 自社開発
特徴:
- 自社製品やサービスを企画・開発・運営するスタイル。
- 開発したシステムやサービスを自社の収益源とする。
例:
- スマホアプリ、SaaS(Software as a Service)、プラットフォームビジネスなど。
メリット:
- 自由なアイデアで商品・サービスを開発可能。
- 利益率が高いビジネスモデルを構築可能。
- ノウハウが社内に蓄積され、ブランド価値向上につながる。
デメリット:
- 初期投資が大きい(人員、設備、マーケティングなど)。
- 市場競争や収益化に課題がある場合も多い。
給料について
SESの給料は「単価」に基づいて決まります。単価とは、お客様がSES会社に1か月ごとに支払う金額のことです。これを会社と折半する形で、自分の給料が算出されるケースが多いです。
例えば、会社によりますが、一般的には「半々」で計算して問題ないでしょう。ただし、下請け構造が進むと単価は減少します。「下請けの下請けの下請け」となると、中間マージンが発生し、最終的に自分の取り分が少なくなることも。
案件・現場移動について
案件は多種多様です。
だいたい契約が3か月単位なので正直、気に食わなかったらいつでも辞められます。
ただ現場で何をやったか会社で記録していくスキルシートというものがあり、頻繁に短期間で現場を転々としていると案件の獲得が難しくなると営業の人から言われました。
筆者が最初に経験した現場はお客さんがキャリア業界で中間に1つ中小企業を挟んで仕事してました。(下請けの下請け)単価は90万程度。今の現場は金融業界で単価は100万です。
人付き合いについて
SESの仕事では、人付き合いの良し悪しが働く環境に大きな影響を与えます。
- 大手企業の現場
人当たりが良く、穏やかな人が多い印象です。 - 中小企業の現場
ここは人によって差があります。中にはパワハラ気質な人もいることがあり、ややクセの強い人が集まるイメージがあります(あくまで筆者の主観です)。
現場の雰囲気は何次請けかによることが多いと感じます。「下請けの下請けの下請け」になるほど、中小企業が多くなるため、現場に独特の人間関係が生じやすいように思えます。(100%主観)
リモートワークについて
リモートワークができるかどうかはお客様の業種やポリシー次第です。近年ではリモートワークを許可する現場も増えていますが、特に金融系などはデータ管理の厳しさから出社頻度が高い傾向があります。
筆者の経験では、最初の現場はリモートワークでしたが、業務が少なく「1日30分しか仕事しない」日もありました。そのため、「暇すぎて逆に辛い」と感じることも。
一方、現在の現場では週5日出社していますが、毎日が充実していると感じます。やはり「働き方」は一長一短。自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。
年齢とSESについて
SES業界では年齢に関係なく働いている方を見かけます。筆者の現場にも年配のSESエンジニアがいます。ただし、単価を上げていくためには管理職(PMなど)へのステップアップが必要です。単純な作業者のままでは収入が頭打ちになる可能性があります。
筆者自身は、将来的には受託開発や自社開発で管理職として働くことを目指しています。しかし、「最悪SESでも働き続けられるように」と、日々スキルアップを欠かさず行っています。
おわりに
SESは人それぞれの働き方や現場によって、大きく環境が異なります。その中で、自分に合った働き方やキャリアパスを模索することが重要です。「最適なキャリアを築くために何をすべきか」を常に考え、成長を続けていきたいものです。
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