近年、AIや機械学習、データサイエンスの発展に伴い、それらを学ぶ必要性を感じている社会人が増えています。私もその一人で、30歳になってから独学で線形代数を学び始めました。
本記事では、数学が得意でない社会人が効率よく線形代数を学ぶ方法について紹介します。特に 「無料で、効率的に学ぶ」 ことを重視しています。厳密な数学的理解よりも、実用的に使えることを目標にしました。
線形代数とは?
線形代数は、数学の一分野であり、行列やベクトルを扱う学問 です。AIや機械学習の分野では避けて通れない科目の一つとされています。
大学では一般的に1〜2年生の頃に学ぶ内容ですが、私は文系出身で学生時代に学ぶ機会がありませんでした。しかし、AIや統計を学ぶ上では必要だと知り、独学で学ぶことを決意しました。
線形代数がAI・機械学習・統計で重要な理由
線形代数は、以下のように様々な分野で使われています。
- ニューラルネットワーク → 行列の積によって計算を行う
- 主成分分析(PCA) → 固有値・固有ベクトルを用いてデータの次元削減を行う
- 線形回帰分析 → 連立方程式を行列の形で表現し、最小二乗法で解を求める
このほかに自然言語の処理でもよく使われており、技術を深く理解するためには、線形代数の知識が不可欠です。
また、Pythonのコードで人工知能を実装する際にも必要になります。
たとえばバッチ処理(まとめてデータを扱う)でデータを予測するときに使います。
社会人が効率的に線形代数を学ぶ方法
私の結論としては、YouTubeを活用するのが圧倒的に効率的 でした。
よく参考書を紹介しているサイトもありますが、初学者にとってはハードルが高いものが多く、途中で挫折する可能性が高いと感じました。一方で、YouTubeには無料で質の高い講義が豊富に揃っており、視覚的に理解しやすいメリットがあります。
そこで、私が実際に学習に活用した おすすめのYouTubeチャンネル を紹介します。
おすすめのYouTubeチャンネル
① 初学者向け(線形代数の基礎を学びたい人)
- ヨビノリ(予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」)
線形代数の基礎から固有値・固有ベクトルまでをわかりやすく解説。授業形式で学べるので、数学に苦手意識がある人にもおすすめ。 - 山口大学 堀田先生
大学1年生向けの講義が無料公開されており、内容が非常に分かりやすい。通常の大学の授業は難しいものが多いが、このチャンネルは例外的に理解しやすい。 - Koga Masaki
基礎的な内容がまとまっている。ただし、カバー範囲がやや狭めなので、他のチャンネルと併用すると良い。
② 中級者向け(基礎は理解していて、応用を学びたい人)
- AIcia(アイシア)
データサイエンスにおける線形代数の活用方法を解説している。初学者向けの内容は飛ばされるので、基礎を身につけた後に視聴すると効果的。
③ がっつり学びたい人向け(数学としてしっかり理解したい人)
- AKITO
線形代数の内容を86本もの動画で解説している。証明もしっかり扱われているため、数学的に厳密な理解を深めたい人におすすめ。
学習のポイントと注意点
- 動画を見るだけではなく、実際に手を動かして計算すること
数学の理解には、実際に問題を解くことが不可欠です。動画を視聴するだけで満足せず、ノートに計算を写しながら学習すると効果的です。 - いきなり難しい参考書には手を出さない
「線形代数の教科書」として有名な本はいくつかありますが、初心者には難しすぎることが多いです。まずは動画で概要を掴んでから、本で補強するのが良いでしょう。 - 途中で挫折しそうになったら、学習目的を再確認する
線形代数を学ぶ目的が「AIや機械学習を理解するため」なのであれば、すべての理論を深く理解する必要はありません。必要な部分だけを効率的に学ぶことを意識しましょう。
まとめ:社会人でも線形代数は学べる!
私は30歳から線形代数を独学で学び始めましたが、YouTubeを活用することで無料かつ効率的に学ぶことができました。
「AIや機械学習を学びたいけど、数学に自信がない」 という人も、まずは気軽にYouTubeの動画を見てみることをおすすめします。
線形代数は、確かに最初は難しく感じるかもしれませんが、理解が進むと 「こんなに便利なツールだったのか!」 と思えるようになります。社会人になってからでも決して遅くありません。
ぜひ、自分に合った学習方法を見つけて、楽しみながら学んでいきましょう!
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