~市民大会でのデータ分析に挑戦!~
近年、スポーツ界ではデータ分析が重要な役割を果たしています。特にプロスポーツでは、AIや統計分析を活用した戦略立案が当たり前となり、勝利に直結する要素として注目されています。野球やサッカーはもちろんのこと、バレーボール界でもデータ分析が盛んに行われるようになりました。
Vリーグでは、データを活用したチーム戦術が一般的になりつつあり、海外ではAIを使ったリアルタイム解析が行われることもあります。
日本の高校バレーボール界でも、データ活用の動きが加速しています。例えば、駿台高校はデータ分析を駆使し、選手の動きや戦術を細かく分析していることで話題になりました。
しかし、市民大会や地域のクラブチームとなると、データ分析の導入はまだ進んでいないのが現状です。
今回は、筆者が地域のバレーボールクラブでアナリストとして大会に参加し、データを収集・分析した経験を振り返ります。
市民大会でデータ分析は必要か?
市民大会レベルでは、「データなんて必要ない」と考えるチームも少なくありません。趣味や余暇の一環として楽しむ人が多いため、試合の分析まで行うチームは少数派です。(そもそも社会人で仕事や子育てもしているので時間が無いです。)
しかし、中には定期的に練習を重ね、向上心を持ってプレーするチームも存在します。筆者が所属するチームもその一つであり、「自分たちのプレーを数値化し、強み・弱みを把握したい」というニーズがありました。そこで、大会に向けてデータ分析を行うことになりました。
大会前日:何を分析するか?
データ分析を行う際、最も重要なのは**「どのようなデータを取りたいか」「何を知りたいか」**を明確にすることです。
今回は、チームのディフェンス能力を重点的に評価することを目的とし、以下のデータを収集することにしました。
基本的な指標
- サーブ効果率
- スパイク決定率・効果率
- サーブレシーブ成功率
これらは、Vリーグ公式サイトでも紹介されている代表的な指標であり、プロや大学、高校レベルでも活用されています。
スパイクの詳細分析
スパイクの成功率をより詳細に分析するため、以下の要素を組み合わせて8パターンのテーブルを作成しました。
- スパイクの場面(ラリー中 or サーブレシーブ直後)
- トスの種類(セッターから or 2段トス)
- スパイクのコース(クロス or ストレート)
このように分類することで、単なる決定率だけでなく、「どの状況でスパイクが成功しやすいか」「どのコースに打つと効果的か」など、より具体的な戦略を立てることができます。
ディフェンスの指標
ディフェンス力を数値化するため、以下の3つの指標も導入しました。
- チャンスボール成功率(簡単なボールをミスせず攻撃につなげられたか)
- ディグ成功率(相手のスパイクをどれだけ拾えたか)
- トランジション成功率(守備から攻撃につなげることができたか)
データを整理する重要性
今回設定した指標を整理すると、最終的に以下の7つの項目を分析することになりました。
攻撃面
- サーブ効果率
- スパイク決定率・効果率
- 2段トス決定率・効果率
守備面
- サーブレシーブ成功率
- ディグ成功率
- チャンスボール成功率
- トランジション成功率
事前に**「何を分析するか」**を明確にすることで、データ収集がスムーズになり、後の分析や資料作成の効率が大幅に向上します。
次回:大会当日のデータ収集と分析の実践
ここまで、大会前日に行った準備についてお話ししました。次回は、実際に大会でどのようにデータを収集し、どのように分析を行ったのかを詳しくご紹介します。
市民大会レベルでもデータを活用すれば、チームの戦力向上につながることが実感できるはずです。次回もお楽しみに!
コメント